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アマゾンのリスク事業リスク

アマゾンの転換点が、企業財務の論点になる理由

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KEAリサーチチーム

リサーチチーム

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カルロス・ノブレは、アマゾン研究を代表する地球システム科学者であり、ブラジル国立宇宙研究所(INPE)の上級研究者、アマゾン科学パネルの共同議長です。2019年、トマス・ラブジョイとともにScience Advancesへ「Amazon tipping point: Last chance for action」を発表。流域が不可逆的な転換点にどれほど近いかを論じました。

研究が示したこと

発表時点で、アマゾン流域の約17%、ブラジル側では約20%がすでに森林を失っていました。二人は、累積の森林減少が20~25%に達し、温暖化と重なると、広い範囲が熱帯雨林から乾燥したサバンナ状の状態へ移行し得ると推定しました。一度始まれば、通常の事業計画の時間軸では元に戻らない変化です。

“転換点は、遠い未来だけの問題ではありません。”

環境だけでなく、財務に関わる理由

降雨と水循環の変化は、伐採された区画内にとどまりません。遠く離れた鉱山やデータセンターの水供給、森林が生む「空飛ぶ川」に依存する大豆・畜産の収量、地域資産の融資・保険の前提となる物理的リスクに影響します。当局や金融機関がアマゾンへの関わりを問う背景には、この問題があります。

影響は均等ではありません。畜産、大豆、木材、鉱業、拡大するデータセンター開発など、限られた産業が土地利用の多くを占めます。EUDR型の追跡要件やノーネットロスに向き合う企業の調達地も、この流域に重なります。転換点への備えと規制対応は、同じ現場を別の角度から見た問いでもあります。

流域の研究だけでは埋まらない情報の不足

ノブレとラブジョイの推定は、モデルと衛星による森林減少面積に基づく流域全体の評価です。個々の企業の調達地、鉱山、施設がどの状況にあり、どう変化しているかまでは示せません。そこを補うのが、継続的で細かな現場単位の情報です。

もう一つの側面:立ったままの森の価値

財務に関わるのはリスクだけではありません。ノブレが共同議長を務めるアマゾン科学パネルの『Amazon Assessment Report 2021』は、長く定性的に語られてきた森林保全の価値を数値で示しました。適切に活用すれば、森は守る対象であると同時に、価値を生む資産になり得ます。

報告書が示す比較

第30章「The New Bioeconomy in the Amazon」は、森林を基盤とするバイオエコノミーの年間収益を1ヘクタール当たり500~1,000米ドルとしています。地域で最も生産性の高い牧草地は約100米ドルで、5~10倍の差です。対象には、新たな伐採地ではなく、すでに劣化した土地も含まれます。

1ヘクタール当たりの年間収益可能性(同報告書第30章)

森林バイオエコノミー(範囲の中央値)+750米ドル/ha・年
地域で最も生産性の高い牧草地100米ドル/ha・年

森林バイオエコノミーは500~1,000米ドル/ha・年。図はその中央値と地域の牧草地の上限を比較しています。出典:アマゾン科学パネル『Amazon Assessment Report 2021』第30章。

資本配分への示唆

土地利用、オフセット候補地、自然を活用した投資を評価する際、この差は見方を変えます。森を残すことが、常に低収益の選択とは限りません。報告書は、条件が整えば、開発型の利用を上回る可能性を示しています。保全の意義に加え、財務面からも検討できる論点です。

価値を実現するための条件

価値を投資につなげるには、加工能力、市場アクセス、現場の状態を継続的に測定・検証する仕組みが必要です。販売時だけの確認では足りません。その基盤がなければ、報告書の数値は事業として実現しません。

必要なのは、現場で使える継続的な根拠

リスクの把握と機会の実現には、共通して現場単位の継続的で検証可能なデータが必要です。流域の研究だけで特定の土地の転換点を判断することはできませんが、現場の変化を追い、森林の価値を裏づけることはできます。KEAのモニタリングと挑戦的研究プロジェクトのセンサーネットワークは、広域の科学を企業が行動・投資に使える根拠へつなぐことを目指します。

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