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EUDR実務:生産区画から、説明できるデューディリジェンスへ
KEA Network
リサーチチーム
EUDRは「森林破壊のない調達」という方針を、製品ごとに検証できる要件へと変えます。ラテンアメリカの生産者には、製品とEU顧客が対象かの確認が出発点です。グローバルな購入者には、声明提出から数年後も区画、ロット、リスク判断、書類を説明できる記録が求められます。
制度の要点
対象となる7品目は、牛、カカオ、コーヒー、アブラヤシ、ゴム、大豆、木材です。ただし、対象は附属書Iの関税コードに該当する製品で、派生製品すべてではありません。EU市場への上市・EUからの輸出には、森林破壊がないこと、生産国の関連法令への適合、必要なデューディリジェンス声明(DDS)または適用される簡易申告が求められます。森林破壊の基準日は2020年12月31日で、木材には森林劣化の要件もあります。
適用開始は、大・中規模事業者が2026年12月30日、大半の零細・小規模事業者が2027年6月30日です。EU木材規則の対象であった零細・小規模事業者は2026年12月30日となります。対象製品の範囲は更新されるため、過去の例示だけで判断せず、最新の附属書Iと関税コードを確認してください。
誰が提出し、誰が根拠を提供するのか
2025年の簡素化では、DDSの提出を、対象製品を最初にEU市場へ上市する事業者または輸出者に重点化しています。下流の事業者にも立場に応じた追跡・情報管理の義務があります。情報が有効であれば、DDSが複数の出荷をカバーする場合もあります。ブラジルの輸出者が提出主体でなくても、EU顧客の適切な提出には、上流からの生産地・合法性・リスクの根拠が不可欠です。
複数の法人を持つ企業は、グループ一括ではなく取引ごとに役割を確認する必要があります。該当するCNコードの製品を最初に上市する法人はどこか。DDS参照番号を誰が保持するか。加工はどこで行われ、区画と合法性の記録は誰が管理するかを整理します。
生産区画からEU向け製品まで、根拠をつなぐ
製品
附属書Iのコード
生産地
区画の形状・位置
土地利用
2020年の基準状態
合法性
現地の記録
リスク
確認済みの判断
申告
DDSと記録保管
根拠となるデータ
根拠のつながりを示す模式図。情報収集・評価の義務はEUDR第8~11条に定められています。
対象品目の生産区画すべての位置情報が必要で、求められる形状情報は区画面積と品目により異なります。牛は飼育されたすべての施設の位置が対象です。製品の説明・数量、生産国、供給事業者・購入者、森林破壊がないことと現地法令への適合の根拠も必要で、記録は5年間保管します。
認証、国内登録、低リスク国の分類は評価に役立ちますが、必要な情報を保有する事業者の責任に代わるものではありません。衛星画像も判断の根拠の一つです。樹木作物、アグロフォレストリー、雲、誤った区画境界などによる見かけ上の不整合は、人による確認が必要です。
例:大豆の集荷業者とEUの購入者
ブラジルの40農場から大豆を集荷し、混合ロットをEUへ出荷する場合を考えます。輸入者に必要なのは倉庫や自治体の位置ではなく、生産区画です。一つの境界が2020年以降の伐採アラートと重なるなら、重なりの実態、該当する畑・作物、その原料が含まれるロットを確認する必要があります。「低リスク」と表示された画面だけでは説明できません。
必要なのは、元の区画、修正後の区画、撮影日付き画像、農場書類、分析者の判断、確認者の承認、対象ロットとの関係を残した記録です。リスクが無視できる水準を上回る場合、事業者は低減するか製品を除外しなければなりません。コーヒー協同組合でも同様で、根拠となるのは年次の方針表明ではなく、実際の調達先の記録です。
購入者が確認したい項目
- 製品とCNコードの対応表、およびEU取引ごとの法人名と役割。
- 出所、変更履歴、農場ID、ロット・生産期間との関係が明確な区画情報。
- 森林変化、合法性、原料混合、国・供給事業者のリスクを評価する文書化された方法。
- 未解決アラートの根拠、担当者、判断日、上位判断への移行ルール。
- 供給事業者や担当者が変わっても機能する、5年間の保管・検索計画。
- 最終スコアだけでなく、根拠を再現できるDDS資料のサンプル。
最も複雑な部分から確かめる
実在する一つの製品とEU取引、最も複雑な調達先群を選び、記録を最初から最後まで再構成してみると、準備状況が見えてきます。不足する区画、曖昧な境界、混合ロット、未確認アラートは、全体のダッシュボード以上に課題を示します。上流で整えた仕組みは他の購入者監査にも活用でき、出荷ごとに作り直す必要はありません。
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