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データセンター水リスク

ブラジルのデータセンター:水・生物多様性・許認可の論点

K

KEAリサーチチーム

ブラジル

読了目安:10分

ブラジルでは、急速に拡大するデータセンター開発に、環境面の計画が追いつくかが問われています。電力契約は早期に検討される一方、水源、流域、生息地への影響、許認可の道筋は後回しになりがちです。新たなREDATA制度を理解するうえでも、税制優遇と環境許認可を区別する必要があります。

環境許認可とREDATAは別の制度

ブラジルの環境許認可一般法(法律15,190/2025)は、環境悪化を引き起こし得る事業の全国的な枠組みを定めています。個別のデータセンターに適用される当局、手続き、EIAの要否は、立地や影響、連邦・州・自治体の規則によって異なります。事前・設置・操業の各許可が関わる場合もありますが、すべての事業に同じ3段階が適用されるわけではありません。IBAMAは法定の担当案件を扱い、多くの案件は州や自治体が所管します。

2026年9月の法律15,504で設けられたREDATAは、データセンターサービスを対象とする別個の税制優遇制度です。参加条件には、クリーン電力・再生可能電力の調達、施行規則で具体化される持続可能性基準、年間の冷却用水使用効率0.05 L/kWh以下などがあります。優遇の適用は、環境許認可、水利用権、土地利用の承認に代わるものではありません。WUEの基準を満たしても、その流域に十分な水があることは示せません。

水効率の数値は、地域の実態とともに読む

≤ 0.05 L/kWh

REDATAの年間冷却用水効率の条件

法律15,504/2026に基づく任意の税制優遇制度の条件です。すべてのデータセンターに共通する取水許可の上限ではありません。施行規則の公表に合わせて内容の確認が必要です。

水使用効率は比率であり、ピーク取水量、水源、季節的な不足、排水の質、地域との競合を示しません。空冷は直接の水使用を減らす一方、電力消費を増やす場合があり、蒸発冷却では逆の関係が生じ得ます。判断には流域、電源、気候の実態が必要です。WUEとあわせて、水源、最大・年間使用量、消費量、還元水量、乾季の前提を示すことが重要です。

水利用の許可も所管が分かれます。連邦所管の水域はANA、地下水や州所管の多くの地表水は州・連邦区が管理します。井戸、水道供給契約、河川取水では、必要な根拠と承認手続きが異なります。候補地の評価段階で所管当局を確認することが重要です。

ブラジルでの候補地評価の流れ

用地を確定する前の4つの確認

01

対象地を地図化

区画、生息地、保護地域、排水系統、周辺の集落を重ね合わせます。

02

水供給の厳しい条件を検討

年間平均だけでなく、乾季の需要と水源の安定性を検討します。

03

所管当局を確認

環境・水の所管当局に、必要な許可と調査を確認します。

04

モニタリングを設計

着工前にベースライン、排水、水環境、生物多様性の指標を定めます。

計画時の考え方を示しています。必要な調査は当局と対象地の条件によって決まります。

たとえばブラジルの都市圏近郊では、送電網への接続条件がよい土地でも、地下水の制約、浸水しやすい排水環境、在来植生の残存が評価で判明することがあります。用地取得前なら、建物配置や冷却方式の変更、生態回廊の保全を検討できます。

審査に向けて整える根拠資料

  • 土地被覆、重要な生息地、保護地域周辺の緩衝帯、排水系統を示す位置情報付きの地図。
  • 水源・季節別の水収支:取水、消費、排水、再利用、干ばつシナリオ。
  • WUEの数値だけでなく、エネルギーと地域の水環境への影響を示す電力・冷却方式の比較。
  • 必要な調査と許可について、環境・水の所管当局が示した判断の記録。
  • 再現可能な着工前の生物多様性ベースラインと、稼働後のモニタリング計画。
  • 生態系や地域社会への懸念を受けて行った設計変更の記録。

早期の根拠整備が、事業の強みになる

送電網への接続費用に比べ、未解決の流域条件や許認可の仮定は投資評価が難しいものです。設計の初期段階に現地の根拠を組み込めば、候補地を現実的に比較し、後工程の再設計を減らせます。KEAは、必要に応じて現地専門家と連携し、自然・水の情報を確認可能な形に整えます。

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